大まかな歴史を知っておく
ベースとして、最低限の歴史を頭に入れておいた方が、観光でより深く理解できる場面も多いと思いますので、少しだけお話ししておきたいと思います。
ユーゴスラビアとは
このクロアチアを含む旧ユーゴスラビアには、民族だけでも5つ、そして宗教はカトリック・セルビア正教・イスラム教の3つがあり、それらが無理矢理1つの国にまとまっていました。
まず1918年に成立した、セルビアを主体としたセルビア・クロアチア・スロベニア王国が基となり、1929年ユーゴスラビア王国となります。
1945年から共和制の第2のユーゴとなり、チトー大統領の手腕によって上手くまとめられていましたが、1980年に亡くなると各国の不満が爆発 (初めからクロアチア・スロベニア側とセルビアは仲が悪かった)。
1991年から分離独立の紛争が起き、スロベニアはわずか10日間で終了しましたが、クロアチアは1995年まで長引きました (国内にセルビア人を多く内包していたため)。
ボスニア・ヘルツェゴビナの独立紛争は1992-1995年に、クロアチア人・セルビア人・そしてイスラム系ボシュニャク人が三方で戦いを繰り広げることに。
紛争終結後は、セルビアとモンテネグロはそのままユーゴスラビアとして存続し、2003年にセルビア・モンテネグロに改称。2006年にはセルビアとモンテネグロ国の2力国に分離し、これをもってユーゴスラビアは消滅。
旧ユーゴスラビア連邦の構成共和国であったスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニアは現在それぞれが単一国家として存続しています。
その他にも
歴史を知っておくとよいというのは、観光中のいろいろな箇所に出てきます。
例えばクロアチアは、内陸地方はかつてオーストリア・ハンガリーの支配を受けた一方、海岸線沿いはベネチア共和国による支配と、歴史が異なるので、建物の雰囲気も異なります。
内陸国のボスニア・ヘルツェゴビナは、オスマントルコの支配だったのでトルコ風と、また全然感じが違いますし。
他には、クロアチア人はスラブ系民族なのに、なぜ宗教はカトリックなのか?とか、
ロシアで使われているキリル文字の元であるグラゴール文字は、クロアチア典礼で使われていたのに、禁止になった理由は?などの話も出てきます。
過去の政治的な歴史が関係しているためであり、こういったことも知った上で見ていくと、より深く観光ができそうです。詳しくは、現地でのガイディングで。