ポルトガルの魅力とは
スペインとはまた違う
まず、スペインと同じ感じだろうと思われている方も多いかもしれませんが、スペインとはまったく別の国です。どちらがよいかとかではなく、それぞれ違うのです。
観光は、確かにスペインに比べたら地味かもしれません。スペインはサグラダファミリアのような大々的な名所がドーンとあるのに対して、ポルトガルは修道院などを巡る素朴な旅。
ですがポルトガルには、マヌエル様式などポルトガルにしかない独特の建築様式があり、その様式が歴史と絡み非常に趣深く、またアズレージョタイルを貼った建物というのも素敵です。
そして忘れてはいけないのが、この国にはスペインと海外進出で競い合った、大航海時代というものがあったということです。今はのんびりとマイペースな雰囲気ですが、その輝かしき時代を彷彿とさせる建築物を見学に行くのです。
なので、歴史の勉強も必要です。写真映え的な観点からだけだと、ポルトガルは見所は少ないように見えてしまいますが、決して見所が少ないわけではないのです。
マヌエル様式とは
1385年にアヴィス王朝を開いたジョアン1世の息子、エンリケ航海王子が先鞭をつけた海外進出=大航海時代。その時期に生まれた、大航海時代の繁栄を誇示するかのような、ポルトガル独特の建築様式です。
ゴシック様式をベースとして、海草・珊瑚・ロープ・錨など海・船に因んだものや、パイナップルや胡椒の実など海外 (東南アジア) でしか目にすることができなかったものがテーマに。
その様式名は、新大陸にまたがる一大海洋帝国を築いたマヌエル1世の名に由来しています。また、途中目にするであろう独特の天球儀もこのマヌエル様式の特徴です。
この点を踏まえながら、トマール修道院やジェロニモス修道院を見学していきます。
アズレージョタイル
青と白の、装飾タイルの一種です。アラビア語の「小さな磨かれた石」を意味する「Alzuleiq」に由来するといわれており、その歴史は15世紀まで遡ります。
ポルトガルで最も古いアズレージョは、シントラ王宮で見られます。グラナダのアルハンブラ宮殿でタイルの美しさに魅了されたマヌエル1世が、自分の王宮をイスラム風のアズレージョで飾ったのだそうです。
その後アズレージョは、ポルトガルの気候・風土に適していたため全土に広まっていきました。時代によってさまざまな様式の影響を受け、ポルトガル独自のアズレージョが作られました。
現在では、教会、博物館、宮殿はもとより、駅、広場、レストランといったいたるところで色鮮やかなアズレージョを見ることができます。
実はすごいのに宣伝が下手
例えばワインについて、ガイドさんの話によると、1756年ポンパル侯爵により世界で初の原産地呼称管理法が認定され、フランスよりも先だったそうです。でもあまり知られていないのは、宣伝するのが下手だったからと。
他にも高速道路のETCも、ポルトガルが初だったそうですし。オリーブオイルも、量こそスペインが世界一ですが、質では負けていない!とドライバーさんは言っていました。
冬でも温暖
一般的に南欧のベストシーズンは春・秋で、夏は暑いので避けたい。逆に冬は割と温暖なので、観光にはよいのです。
というより日本のツアーは、冬にポルトガルへ行くコースが多いですね。街歩きがメインの観光なので冬でも関係ないし、代金も安くなり、空いていてよいと思います。
ただ地中海性気候は冬に雨が降り、ロカ岬などでは悪天候だと風が強いことが多いので、カッパも持参した方がよいでしょう。